代表 片根真知子さん率いるspace H.A.G主催公演『Doors』に出演させて頂きました。
茨城を拠点に数百人の生徒数を抱え、多くの若手ダンサーを輩出しているこのスタジオ。運営からレッスン、振付、指導、教育に至るまで、真知子さんはその全てを担っています。
「公演をやりたいんです、先生。東京から近くて遠い茨城の若いダンサー達に本物を見せたいんです。ダンスで生きることの厳しさと、踊ることの楽しさを教えてあげたいんです。先生、出演して頂けませんか?」
私が本物かどうかはさておき、真知子さんのこの言葉を聞いて迷いなど起こるはずがありません。二つ返事でOKしました。
真知子さんが私のことを「先生」と呼ぶのは理由があります。真知子さんは数年前から貴重な時間を割いて、Tap Danceを習いに来てくれていました。話を聞けば聞くほど、いったいどこにそんな時間があるのかと思うくらい多忙な日々を送る真知子さん。けどそんなこと微塵も感じさせず、「先生、また来ちゃいましたー!」と言いながら東中野に通ってくれました。そして私達は色んな話をしました。
同世代の真知子さん。新しいことにもっともっとチャレンジしたい、その背中を後輩達に見せたい、まだまだ自分達には知らない世界が沢山あるんだってことを知ってもらいたい!…そう言いながら、短い時間だけど私達にとっては長く濃い時間を、カタカタと踏み鳴らしながら一緒に過ごしました。
此度の演出を手掛けた頼もしき後輩、MEDUSA。苦楽を共にした彼女のアツい演出に食らいつく出演者達。自身も出演する為、裸足で裏を駆け回るその姿がかつての自分とダブって見えたり…。胸の奥がこしょばゆくアツくなったのは言うまでもありません。
今回はそんなMEDUSAと、最高のSoul Singer、Elianaとのコラボレーション。マイク一本、会場を突き抜けるかのような魂溢れる彼女の歌声に誘われ、MEDUSAの優しいMoveに導かれ、大きな呼吸の中で踏む事が出来ました。3人で演るのは初めてでしたが一瞬で絵が浮かび、一瞬で確信に変わるこの奇跡。いえ、奇跡ではなく、偶然でもなく、これは必然。お互いの魂が共鳴し合った、証。
Eliana × Satomi × MEDUSA
そしてそして今回の目玉、ebony。よっちゃん、MEDUSA、LEEちゃん。なんてこと! これぞ圧巻、大人のパフォーマンス。一瞬にして地球の裏側にタイムトリップ。余裕、間、制約と自由、色、匂い、全てが計算されてて、でもそれを自由にコントロールしてて、鍛錬された3人の線がとてつもなく気持ち良く描かれてて、もう、完全に弄ばれた感。Cool & Soul。音楽すら彼女達にひれ伏したかのよう。天井から降りた三本の明かりの中に立つ3人に、会場の空気が一瞬で変わった。
本物。
このゲスト陣が茨城に集結した意味。真知子さんの強い想いが込められています。
自分一人でなんて生きていけない。
まだ見ぬDoorを開けてごらん。
もしかして今はその勇気が持てないかもしれないけど、いつか目の前のDoorに向かいあった時、その時誰かと一緒に開けてもいいじゃないか。私達は苦しむ為に踊るんじゃない。嬉しい涙を流す為に踊るの。ほんの少しの勇気とたくさんの感謝を持って。
どんなに経験を積んでも、長い年月生きていても、きっと私達が踊る理由になんら変わりはないんだと思います。だから同じ板の上にいる限り、ある意味容赦なく、だから互いをリスペクトし、そして最後には同じ景色を見る。それが子供であろうが大人であろうが。
これが真知子さんの望んでいた景色なのかは分かりませんが、私は確かに感じました。ひとつの景色を、会場に居る全員で見れたことを。
なんか、すごく正しい子ちゃんみたいな感想でキモチワルけど、どんなに悩んでどんなに考えて努力してみても、結局はこんなに単純で分かりやすいことなんだって、自分で言ってて笑ってしまいます。経験を積めば積むほど頭でっかちで理屈っぽくなりがちだけど、いつも側にいる仲間達が教えてくれます。
ただ演ればいいんだって。感じるままに踊ればいいんだって。それを体現している力強い仲間達にいつも、そう教えてもらっています。
真知子さん。今回は私が与えなければいけない側だったかもしれないけど、大切な景色と多くの経験を頂いてしまいました。やっぱりこの出会いは必然だったと確信しました。真知子さんと、真知子さんが引き寄せてくれた大切な仲間に、心からのリスペクトと感謝を。
本当に、ありがとうございました!
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