他愛もない話

 私はね、寒いのが大の苦手なんです。冬はキライじゃないけど、寒いのが苦手です。またこの季節がやって来てしまいました。ちょっと気が重いです。なんでかって、極度の冷え性だからです。急に寒いところに行くとお約束通り風邪を引きます。寒さ+雨(湿気)+気圧の変化が重なると、腰に激痛が走ります。洗面所で顔を洗うのなんて皆無です。靴下や靴を履くのも一苦労です。一応、私は踊り子さんなのですが。寒さに耐えながら身体を動かすのは至難の業です。冬眠から無理矢理叩き起こされた感があります。私は、低体温症です。 汗をかくのは大好きです。ダラダラ汗まみれになるのが大好きです。腰も絶好調です。今年の夏はキング・オブ・ナトリウム『ポカリスエット』と共に過ごしました。私の夏の最大の敵は、クーラーです。 そんな寒さに敏感なこの私が、ここ最近気になる事があります。まず、真冬の私のタイツ率が少なくなりました。前はタイツに靴下2枚履きが常でしたが、長靴下のみでOKな日が増えた気がします。おや?そして、真夏の私の電車内羽織り率も、これまた少なくなりました。今年の夏は特に。いつか絶対駅員に文句言ってやろうと思っていた電車内のクーラー設定温度。私にとっては動く冷凍庫。必ず羽織り物がないと乗ってられませんでしたが、今年の夏の電車内は程よい涼しさ。おや?おやおや?おかしいぞ?もしかして冬が暖かくなっているのでは?夏が暑くなり過ぎているのでは?うーむ。肌で感じる温暖化。 先日行われたライブで使用する板をえっちらおっちら運んでた時の話。それはそれは電車内では迷惑なタップ板。これがまた重い。加えていつも持ってるコロコロをくくり付けてるもんだから、これはどっからどう見ても家出少女(とりあえず、少女)。通り過ぎる人皆迷惑そうな視線をよこし、それに反発する34歳。降り立つは下北沢。なんとここ、駅構内に階段しかない。世の中の不便さをこんなところで感じた自分を恥じてみたり…。仕方なく階段を一段ずつゴンゴン音立てながら降りていると、ふいっと荷物が軽くなり。なんと若い外国人カップルの男性が一緒に荷物を持って階段を下りてくれたのでした。ペコリペコリと頭を下げて感動していたのも束の間、その先に待ち受けていたのは目もくらむような上り階段。コノォ~下北沢駅開発組合め~早くエレベーターを設置しやがれ~とワナワナしながら向かって行くと、なんとそのカップルが待っていてくれたのです!ここここれにはわたし思わず走って抱きついてしまおうかと思いましたがそれは想像だけにして。オウッオウッペコリペコリと脇目もはばからず感謝の気持ちを身振り手振りで伝えたのでした。清く美しい若きお二人に永遠の幸あれー! それから、行きもあれば帰りもあるってことで。警戒に警戒を重ねて帰った金曜の夜。おまけに今日はこの荷物。案の定白い目で見られながらそれでもえっちらおっちら前進。最後の山場は地元の駅の階段だ。覚悟を決めて、それっ!ふいっ。え?ふいっ??そうです。今度は黒人の男性でした。ダイジョブゥ?と片言に話しかけてくれながら軽々と荷物を持ち上げ、そしてちょいとばかし酒が入っていたのか、荷物を降ろすと彼は鼻歌を歌いながら暗闇の中にアッという間に消えて行きました。地元の駅でお見かけする外国の方はそんなに多くありません。行きといい帰りといい、なぜこのタイミングで彼等に遭遇したのか未だに不思議ですが、なんとも嬉しい、そしてなんとも感慨深い体験でございました。文化の違いを超えて、語り継ぎたいと思います。以上。秋の夜長の他愛もない話でした。おしまい。

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當間里美 jazz dancer / tap dancer / choreographer

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