セッションを知るには、セッションをするしかない。そう思った。だってセッションはひとりでは出来ない事ですもの。相手の話を聞き、相手を知り、自分が話し、互いに話し、話題を変え、笑い、沈黙し、まとめ、最後に握手を交わす。(まず自分がその相手と話が対等に出来る器であるかないかがとてもとても重要な点だけれど、そこは己が一番よ~く分かっている点なので、そこは置いといたとして。)結局自分は、今までずっとひとりで踊って来たんだと思う。無言のまま一方通行に思いをぶつけるばかりで、それに対する答えに落ち着いて耳を傾ける事をしてこなかった。空気や雰囲気や色や質、そういった曖昧なものに注意が行き過ぎて、もっとリアルなもの、現在進行形なもの、そこに存在するもの。それに気がついていなかった。手を伸ばせば触れることが出来るもの。こんな近くにあったなんて。障害物競走。笑いあり、涙あり、生キズあり、笑い合う。一着が誰かなんてあんまり問題じゃない。アメ玉を加えて真っ白になった顔を指差して笑いながら、ネットに髪を引っ張られて転げ回りながら、大笑いし過ぎて腹筋痛くなりながら、それでもどっちが先にゴールするかを競ってギリギリを楽しみながら結局一緒に白いテープを切る。思えば私は今まで100メートル競争ばっかりだったな。障害物のない、真っすぐな100メートル。耳の横を通り過ぎる早い風ばかりを感じてた。隣の人が見えないはずだわよね。なぁなぁ、たったひとりで走るのはもういいじゃぁないか。あの人が手を使わずにちゃんとパンを取れるかどれどれ、じっと見ていようじゃぁないか。平均台を渡るのが怖かったら、あの人の手を借りればいいじゃぁないか。結局二人白い顔のまま、一緒に両手を広げてゴールしたらいいじゃぁないか。口には美味しいアメ玉が入っているんだぜぃ。ひとりで戦ってもつまらない。それが障害物競争なんじゃないのかい?ん?
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