MUSIC TO THE DANCE

 川崎のCLUB CITTA'で行われた「MUSIC TO THE DANCE」。日本のストリートダンス界をリードする人たちが繰り広げるSpecial Night。全編バンドによる生演奏。LOCK、POP、HOUSE、BREAKIN'、HIPHOP、そしてTAP。芸術ともいえる技の数々。盛り上がる会場。魅せ方を熟知している人たちが、更に魅せまくる贅沢なひととき。2時間はあっという間に過ぎていった。 私はjazz dancerでありながら、随分とこの人達の影響を受けてきた。踊り、音楽、文化、魅せ方、考え方etc・・・jazz danceのルーツとは明らかに違うstreetという最も過酷な場所で生まれたdance。この人達のガチンコ精神はハンパない。自分のスタイルへの飽くなき追求、進化。それを瞬時に魅せ付けるパフォーマンス。彼らはDANCEというものがいつも隣にあって、そして音楽というものをこよなく愛す。私はそんな彼らを見ながら、いつも心を熱くしていた。 そして時を経て出会ったTAP DANCE。 今日このステージに一人ソロで登場したsujiこと浦上氏。今まで聞こえていた音楽がやみ、静まりかえった会場に鳴り響く足音。観客の耳は一点に集中し、彼の作り出すリズムに身体が揺れる。そして彼の合図で再び始まる音楽。ミュージシャンと同じラインに並んだ板の上で踏む彼の姿は、まるで音符が踊っている、音が踊っているようだった。水を得た魚のように彼とのセッションを楽しむミュージシャン達。その駆け引きを楽しむ観客。そしてその三位が一体となったところで、パフォーマンスは終わる・・・。 私がTAPをやる理由のひとつ。それは、TAP DANCEというものがこれだけ人を瞬時に引きつけるものなのか、はたまたSUJIという一人のDancerがそれを可能にしているのか。この答えだけを知りたくてやっているといっても決して大げさではない。あらゆる踊りから色んなモンをとっぱらった時、残るものはなにか。はだか。肉体。空気。音。鼓動。今。情熱。祈り。未来・・・。人間が人間であるということを意識し始めてから、とっぱらっては付け足し、とっぱらっては付け足しながら今日まで進化してきたDANCE。そしてTAPもまた、今なお進化を遂げるDANCEであるということが今日、Dancer SUJIの足によって証明されてしまった。 ・・・ってことで、私がTAPをやる理由のひとつは既に解明されちゃったわけだけど、ここはひとつ気づかないフリをして、また明日からのれんしゅうの糧としよう。私のダンス街道、まだまだ先は長いのです。がんばるぞ。以上、satomiのCITTA' レポートをおわります。

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當間里美 jazz dancer / tap dancer / choreographer

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