感謝


結局のところ全ては繋がっていて、表面上に見える様々は役割であって、その中心で繋がっている糸は自分がこの世に生を受けた時から、いや、その前からずっと変わらず繋がっているのだと。

自分が何者であろうともこの糸さえ手放さないようにすれば、私が私の核を見失うことはない。自分が何者であろうとも。
一度しかない人生の中で、何故自分はこれを選択し、なぜここに居るんだろう。
人間で満たされる空間。舞台。
どうしようもなく「生」を感じる。
肉体は物体に過ぎない。その物体を動かせるのは魂でしかない。魂の会話。宇宙のはじまりのような、原点。板の上に乗る者だけじゃない。「人」が持つ力。それだけ。
アホみたいにそれだけを信じて、求め、実行する。独りよがりという不安と闘いながら、それでも己の「生」と向き合いながら、今ここで生きる。そう決めた。永遠なんて求めていない。明日終わるかもしれない。それでも私は今、ここに生きている。刹那。それでいい。

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ミュージカル刀剣乱舞 村正派双騎〜万の華うつす鏡〜。この座組と出会ってからわずか数ヶ月。それは数年にも感じます。1日24時間。そこに詰め込まれた情報量は凄まじかった。ひたすらトンネルの先を見つめて、信じて、真っ直ぐ突き進んできたらココに辿り着きました。そして2023年12月31日。全てがそこに在りました。「全て」というのがいったいどこまでなのか分からないけど、我々が創造してきたこと「全て」は、確かにあの場に変わらず常に存在していたと、客席にいる私は不思議な感覚と確信に包まれながらそれを観ていました。
15人の素晴らしいダンサーたち。そして同志、一平。彼ら無くして私の存在など無に等しい。踊りという僅かな共通言語を頼りに最後まで共に闘いました。「原点」。あなたがあなたであること。意思。それが大きな塊となって観ている者へと届く。
演者ひとりひとりが覚醒していくそれは、此度の作品に必要だった。偶然か必然か。当たり前と言ってしまえばそうだけど、当たり前がこの世でとてつもなく至難なことは知っています。結果的に奇跡や必然と言ってしまえばそれにしても、毎日のリアルを目の当たりにし過ぎていた。だからきっと私たちはひたすらにそこに生きていた。ひとりひとりが為すべき事の為に。そう思います。
そして。
此度演出・主演を務めた太田氏、spi氏。私にとって最もリスペクトすべき表現者であり、大切な友人でもある(と勝手に思っている)。沢山言葉を交わし、交わさずとも、お互いの奥底へと入っていき創造を繰り出すことが出来る唯一無二の存在。これまでの生きてきた過程や経験を超越した感覚で創造したものもまた、唯一無二だった。彼ら2人とじゃなければ叶わなかった想い、信念、希望。そして、ユーモアとセンス。
役を演じるということ。歌うということ。私には到底分からぬ技術かもしれない。けれど何故それが人々の心を打つのか、彼らの側に居れば居るほど分かるような気がしてなりません。

ものづくり。
想像はひとりかもしれない。
けれど創造はひとりじゃない。
繋がっている糸。共鳴。
いつも。どんな時も。
だから人間は素晴らしい。自然には絶対的に敵わないけど、人間だから生み出せるものがある。
共鳴。
ものづくり。
敬意と、感謝。

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ミュージカル刀剣乱舞 村正派双騎〜万の華うつす鏡〜 全41公演誰ひとり欠けることなく、全員で走り切りました。
主催及びプロデューサーをはじめスタッフの皆さん。カンパニーの安全を最後まで守り終演へと導いて下さった制作の皆さん、そして舞台監督須田さん。私にとって尊敬と学びと発見しかないクリエイターの皆さん、テクニカルスタッフの皆さん、演出助手あやさん。最後まで私達をサポートしてくれた稽古代役のみんな。私の頼もしき右腕菜花ちゃん。そして、共に闘った総勢20名のキャストのみんな。
はじまりはひとしずくの水。
この、次第に大きく広がっていく波紋の中にほんの少しでも自分が居れたこと、心から深く感謝します。本当に本当に、ありがとうございました。

最後に、8年という歴史あるこのシリーズ作品と、それを見届けて下さる観客の皆さん。長い道程の中で出会えたこと、こうして共に時間を共有出来たこと、感謝が絶えません。
この糸がまたどこかで繋がっていけることを、願っています。

ありがとうございました。


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當間里美 jazz dancer / tap dancer / choreographer

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