コーラスライン

今まで色んなダンスムービーが世に出ていますが、『コーラスライン』は本当に素晴らしい作品です。
良い作品が生まれれば、そのイイところだけを抜粋して模倣しようとする風潮があったりしますよね。でも"凄い"とか"感動"てのは、うわずみだけで作れるもんじゃありまへん。だから誘導なんてしちゃダメです。あるのは「事実」だけで、当の本人たちはきっと、感動させようなんて微塵も思ってないんすから。

ーーーいきなし話が逸れました(笑)。

そうです。舞台には往々にして役付きの俳優やダンサー、そして背景を彩るアンサンブルという人たちがいます。
わたしは振付という観点から、このアンサンブルという人たちを動かす立場でもあり、わたしにとってなくてはならない存在。台本には書いていない多くの余白を、彼等と共に創造します。時には巨大なセットを動かし、時には自らが背景となり、時には台詞を言い、歌い、そして踊る。まさに作品を形造る舞台そのもの。彼等の存在が、わたしの仕事を何百倍にも豊かにしてくれるのです。
そう、一心同体。
しかーーし!わたしにとっちゃぁそんな彼等の働きも当然のテクニック。"役割""使命"ですから。あなたの使命。わたしの使命。人にはそれぞれ役割っちゅーもんがあるからして、特別に讃えられるものでもないと思っています。だって舞台創りに必須なんです。脚本も演出も振付も主役も脇役も役者もダンサーもアンサンブルも、どれも同等に等しく必要なんです。私たちはそれぞれの役割をただ全うしてるだけです。そうです、これが「事実」なだけです。
そしてわたしはその「事実」だけをお伝えしたい。アンサンブルという彼等が、毎度舞台において誰よりもその安全を守り、360度目を光らせ、あらゆる表現を散りばめ、ひとつのミスも許さぬ覚悟で舞台上に居るということを。そして何故彼等がそこまでやるのかと聞かれれば、それは舞台という空間そのものが彼等であり、表現であり、そしてそんな彼等が誰よりもそのことを楽しんでいるからだと、私は勝手に思っています。
勝手に.....笑
"コーラスライン"は、引かれた一本の線なんかじゃない。巧みに張り巡らされた線と線、その空間に佇む表現者、選ばれし先鋭たちが立つ特別な場所。
信頼とリスペクト。
阿吽。

いつだってわたしもコーラスラインに立っている。
共に。

みんな、いつもほんとうにありがとう!

そしてこれからも、ずっと!





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當間里美 jazz dancer / tap dancer / choreographer

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