壁に耳あり障子に・・・

気が付けば春。
大阪はもう、桜が咲き始めていました。
稽古初日から、その一日は三ヶ月分に相当し、一ヶ月は三年分に相当した。ように感じる。

昨日まで知らなかった者同士がひとつのベクトルに向かって行くスピードは凄まじい。私は割といつもこの感じの環境で仕事をしているわけだけれど、このスピードに負けまいとわざと逆方向に向く事もある。
嫌なのさ。時間に支配されるのが。時間は、コントロールするもの。闘うべき相手は時間じゃない。
流れる時間に惑わされず目を凝らして見渡せば、必ず見えてくるもの、いんや、自分の見たいもの、向き合いたいものが見えてくる。

よし!
今回もまた、見付けた!


キャスト & スタッフ誰一人欠ける事なく、千秋楽を迎える事が出来ました。これを率いていたのは「間違いなく座長だった」と、全員が口を揃えて言うでしょう。不器用にもがきながら、でもそのありのままの姿を我々スタッフに、そしてキャストに惜しみなく見せながら最後まで大きな波動を送り続けてくれた座長 大我。
コンチクショウめ。やってくれるじゃぁないか…
だから私は、あの渾身の背中を見る度、そこに書いてあるメッセージをバシビシ受け取っていたわけさ。



時間に抗う事が正しい訳ではない。
もがく事が美徳ではない。
経験が理由にはならない。
ただ、人が人に影響を与え、それが刺激となって新しい価値を生む。その作業がひたすら楽しいだけ。原点。



小さかった点が、演者の身体を通し大きく動き出す。「信頼」という細い糸が私達を導いてくれました。
こうして創り上げたこの舞台が誰かの心に届いていたら…と願って止みません。


座長はじめ、最後まで諦めず共に闘い続けたキャストのみんな。其処彼処立ち昇る湯気に私が反応しないはずがないのだ。でも、私の中じゃ終わっちゃいない。

表題の答えは、そう…

わたしだ。









ミュージカル『HARUTO 』終幕。

本当に、ありがとうございました!!!











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當間里美 jazz dancer / tap dancer / choreographer

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