私の短いタップ人生の中で、既になくてはならない存在の一人、percussionistよしうらけんじさんのソロライブに行ってきました。パーカッションのソロライブ。今までありそうでない、観た事あるようで観た事ないパーカッションソロライブ。それは期待を遥かに超える素晴らしいパフォーマンスでした。ステージに所狭しと置かれた数々の楽器達。それをけんじさんはイリュージョンの如く操ります。一曲一曲がドラマティックで繊細。目の前には情景が広がります。それがたった一人で織り成す音楽だということを、そしてそれがリズムだけだって事を忘れてしまうくらい、ドーム型の会場をけんじさんの音が包んでいました。パーカッション。リズム楽器。どこまでも打楽器。でもそこにはメロディーがありました。リズムが創り出す世界に言葉が溢れ、色彩が溢れ、色んな表情をしたドラマが生まれる。不思議な体験でした。タップも言ってみれば打楽器。今日は勉強させて頂くつもりでもあったのですが、残念ながらそんな器用な事を同時に出来る余裕はありませんでした。ただただリズムそして空間に引きつけられ、気がつけば身体が揺れ、目の前にスクリーンが現れ、匂いを感じていたような気がします。ときどき目をつむってリズムに耳を傾けました。時をリズムが刻み、強弱には魂を感じ、音色には遊び心を感じ、間は心地よい緊張を生む。音楽に言葉など存在しないのに、今こうして改めて思い返してみれば、そこにコロコロと溢れた言葉達を借りてずっと文字を綴っていれそうです。タップをやっている人にとっては決して他人事ではないパーカッションの世界。私にとってはまた新たな大きい山が見えてしまった事は否めません。でも、今日こうして良質な時間を体感出来た事、そして与えてもらったものを今度は自分が恩返し出来るように頑張ろうと、在り来たりだけどそんなふうに思いました。けんじさん。ありがとうございました。
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