自分が、何かモノを創る時の一員としてたずさわる時、まずはそのイメージを話し合う機会があるのだけど、私はそのプロセスが好きである。相手がその時間、その空間にいったい何を求めているのか、それを探るのが楽しい。話し合いの段階で現実的なものは一切なく、その時使われる言葉はすべて抽象的でイメージの中の話。そのイメージをいかにしてキャッチするか、そこが勝負。そしてそこに音があるなら始めに聴いたインスピレーションが最も大事。相手が言葉で、音で、ジェスチャーで、眼の奥で語ってきたものに、今度は私が自分の表現で畳み掛ける。相手の眼の奥にスクリーンにいったい何が映っているのか、それを探り合い、そうしてお互いが徐々に近寄ってきた所でいよいよ現実的なことが動き出す。イメージを形にするのは大変だけどとてもおもしろい。時に思いがけない方向に行ったりもして、結果1+1=3になったりする。反対に1+1が見事にトッ散らかっちゃう場合は、始めの段階でウマくキャッチ出来なかったとき。これがまたその腕を試されてるのか、難儀な課題だ。そのまま敗北に終わってしまうこともあったなぁ…。そういうときは、たいがいヘコむ。ともかく、プロジェクトの大小に関わらずモノを創って行く時に大事なのは『こうしたい』という熱意。それがイメージとなって現れ、形となって出来上がる。熱意と熱意のぶつかり合い。それが、ものづくり。アツいぜ。
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