ダンスを説明するのに言葉なんていらない。そう思います。そぎ落としてそぎ落として見えてくるもの。そこにはリズムと、身体しかありませんでした。彼はいつも言います。『魂で踊る』逆に、それしか言いません。なぜならあとのことはすべて、彼から出る一音一発一踏みに込められているから。言葉なんて、いらない。観ているこちらは、一瞬小さく暗い穴の入り口にゴーッと吸い寄せられる錯覚を起こします。そして、ポンと抜け出たその穴の先は、無限に広がる想像の世界。リズムとダンスと、そして観ている私。すべての演目が終わった後、目の前に出口が見えます。暗く小さい穴を背中に、私は現実の世界に引き戻されました。たしかな満足と、そこに居る実感。リズムを体感したような高揚感。全身で何かを受け止めたような、感じたような。誰かが言っていました。『エンターテインメントってヤツは、入口と出口が一緒じゃダメなんだ。たとえ夢のようなおとぎ話でも、ちゃんと入口と出口は違わなきゃダメなんだ。』ずっとずっと前からずっと思っている事。多くの人を吸い込ませるこの感じ。これを可能にしてるのは果たしてTAP DANCEなのか、SUJI TAPなのか。今回もまた、これを明確にするのはやめておきます。今日また一本、毛細血管が延びました。
Simply full of Tap Vol.2
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當間里美 jazz dancer / tap dancer / choreographer
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