突然ですが、元歌手の山口百恵さんが白いマイクを置いてから、いったいどの位の歳月が経つのでしょうか。あの映像をリアルタイムで観たのかそれとも再放送で観たのか、もうよく覚えてないけれど、多くを語らないまま白いマイクをそっと床に置き、もう画面からは聞こえないその口元は確かに『ありがとうございました』と言っていた。しぶいッなんてしぶいんだッ子供心にそんなふうに思ったのを覚えています。 あの時代、芸能界はホントに遠い存在で、ピンクレディーはトイレに行かないって本気で思ってました。お人形さんのようにキラキラしながら歌う彼女達はブラウン管の中のお姫様。當間家3姉妹、玄関の前でポーズを決める古びた写真が今も残っています。 最近、当時アイドルだった人達がその時の下積みの苦悩とか、恋愛の苦悩とかを『今だから言える』ネタにして喋ったりしてます。でも山口百恵はそんな事言いません。当時のグチなんか喋りません。大変だった営業の話もしません。何故なら『山口百恵』はまだ、白いマイクを置いたあの当時のままだからです。 彼女自身が多くを語らず、スッと白いマイクを床に置きアッサリと芸能界から身を引いたお陰で、きっと今も多くの人の胸の中で『山口百恵』は生き続けている事でしょう。 ディズニーランドやその他多くの着ぐるみキャラクター達は、近い関係者にもその中身を絶対にバラしません。徹底しています。そのお陰でこれから数世紀先も愛くるしいキャラクター達は子供達の永遠のアイドルです。 テレビ・・・ザ芸能界・・・決して手の届かない遠い箱の中。トイレも行かない夢の世界。みんなでつくるおもちゃ箱。だぁれも居ない独り舞台。時代を映すマジックミラー。24時間遊園地。 テレビ・・・ザ芸能界・・・いつまでもいつまでもずっと、私達に夢を与え続けてくれる場所であることを願ってやみません。
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